ガンの状態を表すのに「進行性がん」と言う時があります。
 本来進行してゆくものだという認識の癌になぜその様な言い方をするのかと思ってしまいますが、早期がんの段階を超え、ステージ3やステージ4にまで進行してしまったガンの事を一般的に進行性がんと言うのです。
簡略的に「進行がん」という事もあります。
小林麻央(こばやしまお)さんの進行性がんの報道を受け、6月9日放送の「情報ライブ ミヤネ屋」が、近畿大学医学部病理学教室の榎木英介医学博士を招き進行性がんの定義について分かりやすく解説してくださいましたので紹介致します。
進行性がんの定義
進行性がんを一言で簡単に言うと
発生したがん細胞が組織内部の深くまで進行しているがんの事。
がんの部位によって基準は異なる
となります。
発生した癌がまだ粘膜に留まっている状態が「早期がん」であり、それより進行して筋層よりも深い部位に浸潤すると「進行性がん」となるのです。
 表にすると下記の様になります。
| 早期がん | 進行性がん | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 粘膜 | × | × | × | × | × | × | 
| 粘膜筋板 | × | × | × | × | × | |
| 粘膜下層 | × | × | × | × | ||
| 筋層 | × | × | × | |||
| 奬幕(しょうまく)下層 | × | × | ||||
| 奬幕 | × | |||||
進行性がんのステージ
進行性がんのステージについてですが、一般的にはステージ3かステージ4となります。
 進行性がんの中でも小さなものだとステージが低くステージ2の場合もありますが、転移等があり症状が重くなるにつれステージは高くなります。
がんの進行度と状態を表にすると下記の様になります。
| 状態 | 症状 | |
|---|---|---|
| 
 初期がん 
ステージ0  | 
無症状。 | 自覚症状は無く、この状態で発見するのは困難 | 
| 
 早期がん 
ステージ1  | 
軽い症状。 転移や浸潤が無く、基本的に病巣は1つ  | 
体調の変化やしこりや出血等の症状が出る事もある | 
| 
 進行がん 
ステージ2  | 
進んだ症状。 他臓器への転移や浸潤が見られる  | 
痛みや苦痛を感じる様になり、食欲不振・倦怠感・発熱等の症状が出る | 
| 
 末期がん 
ステージ4  | 
全身症状。 他臓器へ次々と転移しているのが見られる  | 
体重の減少、貧血、呼吸困難等の症状や、目に見える衰弱や免疫力低下による感染症等 | 
進行性がんの第4の治療方法「免疫細胞療法」
がんの治療方法といえば
- 外科手術
 - 抗がん剤等の化学療法
 - 放射線治療
 
の3つが有名ですが、進行性がんの治療方法として近年注目される第4の治療方法があります。
 それが「免疫細胞療法」というものです。
これは自身の免疫の力を強化し、がん細胞増殖よりも免疫力を強くするという方法で、副作用が少ないのが特徴です。
具体的な方法は、自身の体からリンパ球と白血球を取り出して培養し、再度体内へ戻すというものです。
 まだ一般的な方法ではないものの、一部の病院では実施されていて、良好な効果を出しているとの事です。
定期健診が大事
この様に、進行性がんの事を分かりやすく教えてくださいました。
 しかしせっかくがんの知識が増えても、上記表の様に初期がんの場合は自覚症状が全く無く、自力発見は不可能といってよいでしょう。
 何か症状が出だして、それが継続するから病院へ行って検査してもらったら、早期がんだったり場合によっては進行性がんまで進行しているというケースがよく見られます。
これらを予防するためには、とにかく定期健診が大事になります。
最低でも何か異変が起きたらするに病院へ行く事が必要でしょう。
 分かりやすいのが血便です。
 「痔なのかな?」と思っていたらポリープから出血していたという人を、私も何人か見てきましたので。

