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篠原信一「誤審で良かった」16年後にドゥイエと会談していた

豪快なキャラでバラエティーで大活躍の篠原信一さんしか知らない方は、2000年夏のシドニーオリンピック柔道において「世紀の誤審」の被害にあった事をご存知ないでしょう。

その後の篠原信一の運命を180度変えた誤審ですが、ご本人は「誤審でよかった」と、2017年12月30日放送の「たけしの誰も知らない伝説~ニッポンの天才たち2017~」にて語りました。

さらに、その世紀の誤審での対戦相手「ダビド・ドゥイエ」と2016年に会談した内容も、同番組にて語ってくれましたので紹介いたします。
あの2000年夏、2位の表彰台で涙を流す篠原さんを見て悔しい思いをした方には、是非最後まで読んでいただきたいのです。

世紀の誤審内容

まずは、誤審内容を振り返ってみたいと思います。

2000年シドニーオリンピック柔道・100kg超級決勝戦にて、1996年アトランタオリンピック柔道・95kg超級金メダリストのダビド・ドゥイエ選手と篠原信一選手が対戦しました。
両者共に優勝候補で、順当な決勝戦でした。

事件は試合開始から約1分半後に起こりました。
ドゥイエ選手が得意の内股をかけてきたところを篠原選手が見事な「内股すかし」で返し、篠原選手は右肩から畳に倒れ、そしてドゥイエ選手は前方へ一回転し綺麗に背中から落ちたのです。

誰がどうみても、篠原選手の一本勝ちです。

その様子を一番近くで見ていた副審は篠原の一本勝ちを示していたのですが、主審は「有効」の判定でした。
そしてその有効は篠原の内股すかしに対してではなく、何とドゥイエ選手の内股に対してだったのです。

そしてポイントでドゥイエ選手にリードされたまま、無情にも決勝戦は終了してしまいました。

決勝戦前後のエピソード

この日放送の「たけしの誰も知らない~」では、決勝戦の前後のエピソードが篠原自身の口から語られました。

表彰式で涙だった理由

内股すかしの後、私の一本だと思ってガッツポーズもしました。
(試合後)控え室に戻って
「俺は金じゃない、銀だ。」
と思った時に涙が出てきてしまい、そのまま表彰台に上がった。

と、表彰式で涙を流した経緯を語ってくれました。

内股すかしは読んでいた

「ドゥイエ選手が内股をかけにくるというのを読んだ上での内股すかしですか?」
との質問には

ドゥイエ選手の得意技は内股ですから、体が勝手に反応します。

と、内股を読んでの内股すかしをかけたのでした。

タバコを吸っていたら勝ってた?

2015年に篠原信一が出版した著書「規格外」において
「決勝前、タバコを1本吸っていたら」
という見出しで書かれた章があります。

その見出し通り、決勝前にタバコを吸っていたら決勝戦で勝っていたかもしれないという内容です。

その事について番組内で聞かれると

初戦から試合が終わるたびに煙草を吸いに行っていました。
準決勝と決勝の間は時間が少ないので選手用の喫煙所に行くこともできず、まさかこれから決勝を戦う私が普通の喫煙所で一般の方と一緒にタバコを吸うわけにもいかず。

と、決勝前にタバコを吸えなかった理由を語ってくれました。
タバコを吸う事はある意味篠原さんの勝利のジンクスですので、通常通りタバコを吸えていれば勝てたかもしれません。

シドニーの銀メダルを捨てない理由「誤審で記憶に残った」

篠原信一は、柔道で優勝して得たトロフィーや盾等については、後生大事にとっておくわけではありません。
後輩にあげたり、無くなったりで、手元には残っていません。

それなのにシドニーの銀メダルは取っておいています。
その理由は

ああいう誤審にあった事によって、記録には残らなかったけど記憶には残った。
それで今こうしてテレビに出させていただいて本当にラッキーだった。
誤審で良かった。

と、誤審のおかげで記憶に残り、今こうして活躍させてもらっている事に感謝している様子でした。

ただ

その時(シドニー決勝時)は金がよかった。
金メダルを取るために練習してましたし、金メダル取るためにシドニー入りをし、金メダルを取るために試合をしてたんで。
それが結果的に2位だということで 、涙が止まらなかった。

と、当たり前ですが、やはり優勝したかったという事を語りました。

ドゥイエと会っていた

視聴者が気になることとしては、シドニー後にドゥイエと会ったことがあるかという事でしょう。
その質問には

あります。
特にそういった話(シドニー決勝について)はしませんでした。

とのことです。
(この「会ったことがある」というのは、篠原が柔道日本監督時代の時のことです。)

ただ2年前に、とある番組でフランスを訪れてドゥイエ選手と一緒に(決勝戦の)VTRを見て
「内股すかし、焦っただろ?」
と聞くと
「うん、焦った」
と言っていました。
もう、それだけで「良し」と思いました。

と、ドゥイエの「焦った」という発言を聞けて納得したという心情を語りました。

ちなみにこの「とある番組」とは、2016年5月29日放送の「岡村隆史のスポーツワイドショー」内での「篠原信一×ドゥイエ 16年目のホントの話」という企画です。

いくら聞いても聞き飽きない誤審エピソード

以上が「たけしの誰も知らない~」で語られた内容です。

これまでにも誤審についてはご本人の口から色々と語られましたが、今こうしてTVに出られるのは誤審のおかげという事を発したのは、今回が初めてではないでしょうか。

そしてシドニーから16年後の2016年に行われたドゥイエとの対談では、決してドゥイエに対して「俺の勝ちだろ」等とは言わず「焦っただろ?」と思慮深い質問をしたのです。

ドゥイエは現在実業家と同時に国会議員でもあり「俺の負け」とは中々言えない立場にあります。
その心中を察したナイスな質問をする、ナイスガイの篠原信一。

今の人気者のポジションがあるのは、決して誤審のおかげだけではなく、篠原さんご本人の人柄ではないでしょうか。

ご本人から「誤審で良かった」という発言が聞けたこと。
さらにドゥイエからも「焦った」という発言が聞けたこと。
これで当時篠原さんと同じように悔しい思いをした私達の心も、少しは「良かった」と思えるようになるかもしれません。

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