不倫騒動で世間から叩かれまくった乙武洋匡(おとたけひろただ)氏が8ヶ月ぶりにメディアに復帰したのは2016年11月27日放送の「ワイドナショー」でした。
そんな乙武氏が「週間SPA 2017年1月17日・24日合併号」において「40歳無職の新年の誓い」と題されたインタビューに応え、2017年現在の心境を語りました。
要約すると、これまで乙武洋匡という周囲から勝手に障がい者代表として扱われ、その役割をバトンタッチする事もできずにしんどかった事を吐露し、そして障がい者である自分がここまで叩かれる事は社会がより健全に進歩した事だという、逆転の発想をしているのでした。
不倫という個人問題をバッシングされる事について
40歳の誕生日を迎える前夜の2016年4月5日に開催された誕生パーティーに、今現在は離婚した奥様と出席した乙武洋匡は出席者に何度も頭を下げて謝っていたのです。
そしてその後は自宅謹慎を選びました。
「世間に損害を与えてしまったわけではない」と言ってくれる応援を断ってまで謹慎を選んだ理由としては、自身を応援してくれる支持者や仕事でお世話になった人に迷惑をかけてしまったからです。
「世間」という人格は存在しないというのが乙武氏本人の認識です。
そして不倫という家庭内の問題によって世間から非難を浴びる事に対しては
私は他人のプライベートなんてどうでもいいし、批判したい人の気持ちは1ミリもわかりません。
ただ、他人のプライベートがすごく気になる人がいるのはわかるし、私がしたことに対して「けしからん」という気持ちがわいてくる方がいることは理解しているつもりです。
と応えています。
選挙に立候補した理由
このようなマインドの方は、決して政治家には向いていないような気もするのですが、そんな乙武洋匡氏が選挙に出馬間近だったのにはわけがあったのです。
本来乙武氏は政治家という職業はやりたくなかったのです。
その理由は
- 批判される
- お金はかかる
- 家族に窮屈な思いをさせる
と割に合わないからです。
乙武氏は自身の体を鑑みるに、どのような境遇の方にも平等にチャンスを与えられる社会を実現したいという思いはずっとあったのです。
そのような社会の実現のためには政治家になって政策を変える事が近道と考えられますが、前述のように割に合わないので、できれば政治家の道は避けたかったのでした。
しかし自身の父親が及び祖父が60歳くらいで他界しているので、自身もそのくらいの年齢でこの世からいなくなるのではという思いが昔からあり、40歳になるとあと20年しかないという事で、その20年で何が出来るのかと考えたら政治の道を避けて通れないと思い始めたのでした。
なので本当に出馬が決定したなら、不倫についても自分から明らかにするつもりだったのです。
昨今の情報化社会だと、絶対に暴露される事は目に見えていますので。
不倫問題について直撃があった時は「ついに来たか。」と思ったとの事です。
それまでに身辺整理をしておかなかった事に関しては、認識の甘さを認めているのです。
乙武洋匡という役回りは、正直しんどい
吉本興業初の車椅子芸人「寺田湧将(てらだゆうすけ)」は乙武洋匡氏を「僕達障がい者の希望の星」と語り、プライベートでも親交があります。
乙武氏は、そんな寺田氏の言葉で一番グッと来た発言があるのです。
いつまでも乙武さん一人におんぶに抱っこで、後に続くような人が出てきていない。
自分もできていない。
それが申し訳ない。
この事を言った後乙武氏は沈黙し、涙を落としたのです。
正直しんどいですよ、乙武洋匡という人生は。
この役回りを私以外の人ができるなら、一刻も早くバトンタッチして楽な人生を過ごしたい。でも現在の社会を見渡した時に、誰か別の人に託す事ができるのかなと。
だったら自分が矢面に立つしかない。
と、これまで発した事がない心情を吐露したのでした。
批判されても活動を続ける理由
不倫騒動後に世間から叩かれ、それでも活動を続ける理由を聞かれた乙武洋匡氏は
私は自分が嫌われる事はどうでもいいんですよね。
今回の騒動は社会にとって良かったのではと思っています。
今までの日本でここまで障害者が叩かれた事ってなかったでしょう。障がいがあっても悪い事をしたら叩かれる。
これって凄く健全な事だと思うんです。
なんというか、時計の針が進んだと言ったらいいんですかね。
と、健常者では考えられないような、逆転の素敵な発想が語られたのです。
最後に
以前は世間が求める姿をえんじつづけるしかないと思っていましたが、本当に気持ちよくリセットされました。
いかに私が聖人君子ではない事が周知の事実になりましたから。
良い子の乙武なんて誰も期待してないて、こんな楽な事はありません。もう今後は好きに言いたい事言っていきますよ。
と、ふっきれた心境を語ってくれたのです。
オンリーワンの役割を演じてきた
SPAで語られた2017年現在の心境をかいつまむと、以上のようになります。
全文からは「乙武洋匡」という役割を担う人生の辛さや重みを感じる事ができたのです。
あの体で始球式でボールを投げたり、電動車椅子に乗って野球場で野球選手にインタビューしたりといった事は、氏以外には決してできないといっても過言ではありません。
あの体で何人もの女性と不倫をする事も同様です。
障害者は決して聖人君子ではないという事を世間に知らせるために、嫌われる事は気にしないでツイッター等でアンチとも堂々と渡り合ったりもしているのです。
とてもバトンタッチできる人材などいない唯一無二の存在です。
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