国際的なピアニスト・中村紘子(なかむらひろこ)さんに、青天の霹靂ともいえる重大な病気が発見されたのは、2014年2月の事です。
腸閉塞を発症した事で腹腔鏡手術を受けたのですが、その時の内視鏡検査でがん細胞が見つかり、後に初期の大腸がんと診断されました。
その後はピアニストの第一人者として、壮絶な体調不良の日々と闘いながらもピアノを引き続けたのです。
ステージ2の大腸がんと診断される活動休止
中村紘子はがん細胞が発見された後は、食事療法による治療を続けながらも演奏活動は継続してきました。
しかし2014年末頃に体調不良となり、2015年1月下旬に改めてステージ2の初期の大腸がんと診断された事により、治療に専念するために活動を休止すると同月27日に所属事務所が発表しました。
これ以降、都内の病院で抗がん剤やマイクロ波、そして漢方を使用して病気治療を続ける事になります。
ステージ復帰
2015年3月6日に行われた
「第19回浜松国際ピアノアカデミーオープニングコンサート」において、約40日ぶりに演奏活動を再開しました。
復帰を楽しみにしていたファンからは演奏後も拍手がやまず、アンコールで応えたのです。
ただしおそらく体調不良で辛いでしょうし、何より治療の合間による公演なのでリハーサルの時間が充分にはとれないため、3月27日に行われるはずだった紀尾井ホールでのジョイントコンサートはさすがに中止となったのでした。
大腸がんの状況を報告
2015年6月3日に都内で記者会見を行った中村紘子は
積極的に色んながん治療を行っています。
辛さとか苦しさは全くない。
がんだけど元気。
と笑顔でガッツポーツを取り、元気な姿をアピールしてくれたのでした。
この頃はまだふっくらとしていて、同年齢の世代よりも見た目も健康そうでした。
抗がん剤による壮絶な治療と体調不良を告白
とはいえ抗がん剤治療を行っていて、そこまで元気なはずはありません。
2015年6月23日放送の「ノンストップ!」にVTR出演した中村紘子からは、抗がん剤が引き起こす壮絶な体調不良を明かしました。
体のあちこちの間接がガタガタになるし、暗譜していたものが突然消える。
指が動かなくなり途中で演奏が止まってしまう事もあった。ピアノの演奏は数日休んだだけで弾き続けました。
その結果腕に血栓ができてしまい飛行船のようにパンパン膨れ上がり、いつパチンと弾けるかと思った。
再度活動休止
このように治療と活動を平行してきたのですが、集中的な療養が必要と主治医が判断したため再度活動を休止する事を、2015年8月25日に所属事務所が発表しました。
中村紘子には、8月29日から11月21日までに12公演が予定されていたのですが、そのうち7公演は中止となり5公演は代役を立てての開催となるとも発表されました。
この時点では、活動休止期間が11月末までの予定だったのでした。
活動休止期間の延長
11月に入ると、休養期間を2016年3月まで延長する事が発表されました。
思ったよりも状況が悪い事が想像できます。
川崎で復帰公演
中村紘子の再復帰ステージは、2016年4月30日という事が3月10日までに判明しました。
4月30日当日、ミューザ川崎シンフォニーホールでの再復帰公演では美しい音色でピアノ演奏を行い、大きな拍手喝采を浴びたのです。
そして今後も抗がん剤治療を行いながら公演を続けるとの事です。
ただ、この時点では こちらの画像 のように、以前からは想像できないくらい激やせしていたのでした。
とにかくピアノが大好きで
「病気が治ってもピアノが弾けなければ意味がない」
とおっしゃっていた中村紘子さんは、最後まで持ち前の楽天的な性格でピアニストとして活躍し続けたのです。
美味しそうに召し上がっていたカレーのCMの記憶がふと頭をよぎりましたが、あれは何十年前のシーンだったのか忘れてしまったくらい昔の話です。
そう思えるくらい、一つの時代に幕が下ろされたのでした。