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サメパニック好きにはたまらない2017年夏の新作「海底47m」を映画館で見てきました。
昨年2016年夏に上映の「ロストバケーション」がよく出来た秀作だったゆえに、海底47mにも期待してしまうというものです。
サメ映画は最後には鮫を殺して終了というお決まりみたいなものがあるのですが、そういった慣例と比べると海底47mの結末は意外なもので「主人公のケイトはそうなっていたの?」といったものでした。
今回は横浜は伊勢佐木町の映画館「横浜ニューテアトル」に足を運び鑑賞してきました。
そのネタバレと感想をヅラヅラと書き綴りたいと思います。
こちらは劇場でもらったチラシの表面と裏面です。
これを見ただけでも、サメパニック映画好きにはたまりませんね。
登場人物
海底47mの登場人物はシンプルに次の4人だけです。
- リサ:主人公姉妹の姉。慎重で引っ込み思案
- ケイト:主人公姉妹の妹。快活で冒険心旺盛
- テイラー:リサ・ケイトの男友達
- ハビエル:同じく主人公2人の男友達
ほとんどの出番がリサとケイトの2人だけで、テイラーとハビエルは基本的に声のみの出演となります。
シャークケージダイビングを行う事になった主人公2人
ここから海底47mのネタバレ開始となります。
リサとケイトの主人公姉妹は、テイラーとハビエルの誘いでシャークケージダイビングを行うこととなりました。
シャークケージダイビングとは、その名のとおり安全なケージ(檻)の中に入った状態で水中に潜り、鮫を間近で体験するというスリル溢れる娯楽です。
ケージは船に搭載されたクレーンに吊られ、海中に沈んでいくのです。
4人はクルーザーで沖へと向かいます。
そこでテイラーとハビエルは、魚をすり潰して血がしたたる「鮫の餌」状にしたものを海に投下します。
その血の匂いを嗅ぎつけた6メートル級の鮫が寄ってきて、慎重派のリサ以外の3人は歓喜するのです。
そんなリサを妹のケイトは説得し、シャークケージダイビングを開始します。
ケージが少しずつ沈んでいくと2人の眼前には多くの泳ぐ魚が出現し、それまでは浮かない顔だったリサも大喜びでエンジョイしだします。
ある程度潜ったところで先ほどの鮫がいきなり間近に現れ、2人は物凄いスリルを体験しました。
もう十分堪能したので帰ろうというリサの進言で船に戻ることになったのですが、船のクレーンが突如壊れ、ケージに入った2人は海の底まで落下していくのでした。
そこは海底47m、地上からの光もほとんど届かず、船からの無線も圏外の恐怖の場所です。
鮫に襲われる
船にいる男2人と無線連絡を取るために妹のケイトがケージから出て、ゆっくりと浮上します。
深度計の値が40mをさすところまで浮上した時、船にいるテイラーとの無線が繋がりました。
テイラーは
「新しいクレーンのワイヤーをハビエルに持ってそこまで潜らせるので、安全なケージ内で待ってろ。急に浮上すると潜水病になるからくれぐれも注意。」
とケイトに伝えます。
それを聞いて安心したケイトが再びケージに向かって潜ろうとした時に、例の鮫が襲いかかってきます。
ケイトは命からがら大慌てでケージへと戻ったのでした。
ハビエル死す
酸素ボンベの残りはわずか数分しかなく、焦り始めるケージ内の主人公2人が見たのは、ライトの光でした。
「ハビエルが新しいワイヤーを持って潜ってきてくれた」
と喜ぶのですが、そのライトは自分達がいるケージを見つけられず、2人はやきもきします。
いてもたってもいられず、リサがケージを出てハビエルのライトを追いかけます。
しかし追いかけているうちに底の見えない海域に迷い込み、恐怖に怯えているその刹那、例の鮫が急襲してきたのです。
鮫の襲来と同時にハビエルと合流する事ができたのですが、その瞬間ハビエルは鮫の餌食となったのでした。
リサはパニックになりながらもハビエルが持ってきたワイヤーと水中銃と発炎筒を手にし、何とかケージまでたどり着いたのです。
新しいワイヤーはやや細めで、切れるのではないかと心配しながらもケージに引っ掛けます。
再度海底へと沈む
船にいるテイラーに無線で
「ワイヤーを引っ掛けたから引っ張りあげて」
と無線で伝えると、テイラーは新しいクレーンを使ってワイヤーの巻上げを開始しました。
ケージがゆっくりと海底から浮き上がり、リサとケイトはこれで家に帰れると大喜びします。
しかし細いワイヤーは徐々に切れかり、海底30mのところまで浮上した時に完全に切断してしまったのです。
今回の落下は最初の落下よりも絶望的です。
なぜならケージの鉄棒と海底の間にリサの右足ふくらはぎの部分がはさまり、リサはケージを出る事もできない状態となったからです。
2人に残された酸素の量は、あとわずかしかありません。
新しい酸素ボンベが投げ込まれるが…
ほとんど酸素がない状態でどう展開するのかとドキドキして見ていたのですが、船にいるテイラーから無線で
「沿岸警備隊に連絡した。新しい酸素ボンベを投げ込むので、警備隊が来るまでケージで待機していて」
と無線連絡があり、ゆらゆらと2本の酸素ボンベが沈んでくるのが2人の目に入ったのです。
ケージ近くの海底に酸素ボンベが到達すると、リサは身動きが取れないのでケイトがその酸素ボンベを取りにケージから出ました。
新しい酸素ボンベが横たわる場所に到着したケイトの酸素残量は、ほぼゼロの状態です。
窒息するかと思いきや、間一髪新しい酸素ボンベへの接続に成功しました。
しかし、もう1個のリサ用の酸素ボンベを持ってケージに帰還しかけた時、ケイトは鮫に襲われてその場から消えてしまい、無線も通じなくなったのです。
ケージのすぐそばにはリサが持ってきてくれた新しい酸素ボンベが横たわっているのですが、身動きが取れないリサはそれを取ることもできず、ただ悲しむのみ。
ケイトが生きていた
しかしリサはすぐさま
「こんなところで死ねない」
と気を取り直し、ハビエルが持ってきた水中銃の先のフックを酸素ボンベに向かって放り投げます。
何度も失敗を繰り返しながらも、数回目にして酸素ボンベに引っ掛けることに成功し、渾身の力でたぐりよせて交換したのです。
そこで突如ケイトから
「鮫に襲われて大怪我をし、岩陰に隠れている」
と無線が入ったのです。
ケイトが生きていたことに奮起したリサは気合で右足を引っこ抜き、2人で海面まで浮上することを決意したのです。
ケージを出たリサは岩陰に隠れているケイトを発見し、潜水病に注意しながらゆっくりと2人で浮上し始めます。
命からがら生還
ハビエルが持ってきた発炎筒に着火させ、それを鮫避けとして使用しながらの浮上となります。
海底20mの地点まで来た2人にテイラーから無線で指示があり、潜水病対策としてそこで一旦5分間待機することに。
待機中に発炎筒が燃え尽きその場が真っ暗となったので、急いで新しい発炎筒に着火して辺りを照らした瞬間、周りを鮫に囲まれている危機的な状況に陥っていたのでした。
発炎筒で鮫達を威嚇しながら5分という時間を稼ぐのですが、新しい発炎筒も燃え尽きてしまい、もう次の発炎筒は無いとう絶望的な状況となったため、2人に残された選択肢は潜水病などお構いなく大急ぎで浮上することのみとなったのです。
海面から顔を出した2人を発見したテイラーは急いで浮き輪を投下し、2人をクルーザーに引き上げようとします。
2人はサメに襲われ足をかまれる大怪我を追いながらも、何とか命を落とさずクルーザーに上がることができたのでした。
クルーザー上で仰向けになった状態で手当てを受け安堵しているリサですが、何やらリサの目に映る視界がおかしいのです。
ケイトは助かっていなかった
クルーザーの上で助かったと安心しているリサの視界は、段々と海底へと変化します。
そして右足をケージと海底にはさまれたままのリサの姿があったのです。
つまり水中銃のフックで手繰り寄せた新しい酸素ボンベに交換したまでは現実だったのですが、その後ケイトが生きていたり、右足を引っこ抜いたり、2人でクルーザーに生還したりといった出来事は幻だったのです。
酸素ボンベを交換してまでの長時間の潜水により窒素中毒を発症していて、幻覚を見ていたのでした。
リサは依然としてケージと海底との間に右足を挟まれたままの状態、そしてケイトは死んでしまった事、これが現実だったのです。
結末
そんな状態のリサに、水中銃で武装した数人の沿岸警備隊が潜って近づいてきました。
幻覚状態のリサはその沿岸警備隊の姿をケイトと思い込み、恍惚とした表情となります。
そしてそのまま沿岸警備隊によって鮫から守られた状態で、ゆっくり海面へと上昇していくのです。
変わらず嬉しそうな表情を浮かべながら。
そして映画は唐突にエンドロールへと転向したのです。
感想
以上が海底47mのネタバレとなります。
そしてここからは感想を。
予告編を見るに、海底に閉じ込められるというシチュエーションは今までのサメパニック物にはなく、斬新さを感じたものです。
ジョーズシリーズとかだと船の上での戦いがメインで何らかの対策があるという状況ですが、海底47mは残り少ない酸素ボンベしか装備していない深海でいったいどういった打開策を見せてくれるかということに期待して見ていました。
船の上から酸素ボンベが投げ込まれる事で海底での時間延長が可能になったり、発炎筒・水中銃を持参した仲間が助けにきたりと「これらのアイテムを使ってサメを撃退するのかな」と、観覧中は期待させてくれたものです。
しかし水中銃をサメに対して発射することもなく、結局サメに対しては一矢さえも報いることはありませんでした。
サメパニック映画というのは尊い犠牲を出しながらも、最後には必ずサメを撃退することでカタルシスを感じるのですが、本作品はそういったものはなかったのです。
昨年のロストバケーションが、海の上で素手の女一人という絶望的な状況ながら最後にサメを撃破したという結末だったゆえ、本作にもそういったスッキリ感を期待していたのに、というのが「横浜ニューテアトル」の席を立つ時の感想となったのでした。