恋愛・結婚

不倫の証拠としてメールの盗み見は認められず慰謝料請求できないケースも

愛する相手と結婚できたものの、不倫によって家庭が修羅場と化すことは決して他人事ではありません。

不倫の証拠として昨今は、メール・LINE(ライン)・SNSといったインターネット媒体によるやりとりの記録が大多数を占める様になってきました。
そういったインフラがなかった時代には、電話記録や手紙、そして自身や探偵による追跡が証拠集めだったと思えば隔世の感があります。

ただし勝手に配偶者のメール等を見たり、ましてやロックを解除した上であまつさえメールデータ等をコピーしたりした場合は不倫の証拠と認められず、慰謝料が請求できないケースがあるので肝に銘じておく必要があります。

東京簡易裁判所で民事調停委員も務めていらっしゃる、東京暁法律事務所の中里和伸弁護士によれば、不倫をしている配偶者へのメールを盗み見た上にコピーして証拠とし、慰謝料を求める裁判を起こしたものの、違法行為とみなされて証拠として認められなかったケースがあるそうです。

不倫の証拠メールを盗み見てコピーする

この不倫裁判の具体的ないきさつとしては、何の気無しに旦那の携帯電話を見ていたところ浮気をしていると思われるメールを発見し、そのメールデータをコピーして自分のものとしました。
そしてそのメール内容をよく確認したところ、ある女性の姿が思い浮かんだのです。
おそらく自身と夫の共通の知人女性だったのでしょう。

そして相手の女性に対して500万円の慰謝料の支払いを求める裁判を起こしました。
不倫の慰謝料は100~300万円が相場なので、随分とふっかけたのです。

東京地検の判決は不倫の証拠と認めない

しかし東京地方裁判所の判決としては

例え浮気の疑いがあったとしても、配偶者へのメールや手紙を勝手に見たり、ましてやデータを保存する行為は一般的に許されるものではない

として、逆に妻に対して違法行為と断罪し、慰謝料請求を棄却したのです。

またこのケースとしては、メール内容だけでは浮気をしているとは言いがたいというのもあり、棄却となったのです。

勝手にメールを見る行為は避けましょう

携帯電話にロックをかけてメールを見られない様にしているのに、何らかの方法でロックを解除して盗み見た場合は明らかに問題となるでしょう。
ただ今回のケースの様にロックがかかっていなかった場合でも、この様な判決が下される事もあるという事です。

不倫の被害者が、配偶者に内緒でメールを見る事が違法行為とみなされるのは納得がいかない事もあるでしょう。
ですが証拠として採用されないので、了承を得ずにメールや手紙を見る行為はやめておいた方がよいでしょう。

そしてもし盗み見した事によって不倫行為を確信したなら、別の合法的な方法で証拠収集を行うとよろしいかと思います。

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