「年齢と共に顔が長くなった、というか伸びた」
鏡の中の自分を見ると若い頃と違い、明らかに鼻の下が伸びて顔が長くなったように感じる女性は多いものです。
1986年に「CHA-CHA-CHA」が大ヒットした美人歌手・石井明美さんも、その自覚を持つひとりです。
他にも芸能人でいえば奥菜恵さんがネットでは顔が長くなった、正確には鼻の下が伸びたと言われています。
そんな石井明美が、2017年11月27日放送の「名医のTHE太鼓判!」に出演し、鼻の下が伸びたというお悩みを語り、その悩みに対してアロハルクリニックの小柳衣吏子(えりこ)院長が、原因及び対策を回答してくれました。
顔が伸びる原因1・肌のハリが減少し、唇が下がり薄くなる
小柳さんによると、エイジング(老化)のメカニズムから考えて鼻の下は伸びると考えてよいとのことです。
加齢によって肌のハリが失われると唇が下に下がるので、鼻の下の物理的な距離が伸びるのです。
肌のハリが減少する事によるもう一つの弊害としては唇が薄くなる事です。
唇が薄くなると、たとえ唇の位置が変わらなくても「鼻の下から上唇の上端」の長さが増えてしまいます。
このようにお肌の観点からすれば、鼻の下の物理的な距離が伸びた事と、唇が薄くなる事によるダブルパンチが発生し、下図のように間延びしてしまうのです。
実際老化でほっぺたが下に垂れ下がる事は事実なので、それと同様の作用が鼻の下や唇に現れるのは至極当然といえましょう。
顔が伸びる原因2・加齢による骨の萎縮
そしてもうひとつの原因が加齢による「ボリュームロス」です。
骨密度が加齢と共に減少する事はよく知られていますが、首から下の体の部分だけと思われがちです。
しかし顔の骨密度も体同様に低下し、体積が小さくなります。
よって上顎(上歯茎の骨)と下顎(下歯茎の骨)も密度が減少します。
その部分の骨密度が減少するとどうなるかというと、奥に後退します。
なので若い頃は口が前に出ていた出っ歯気味の人も、歳と共に引っ込んでいきます。
上顎と下顎が奥に引っ込むと、それだけで鼻の下が長く見える原因となります。
入れ歯を外した時を想像していただければ納得だと思います。
そして顔の骨の萎縮は上顎と下顎だけでなく顔全体の骨に起きるので、骨に乗っている皮膚・筋肉・脂肪といった層が全て下垂してたるんでしまいます。
このようなトータル的な作用により、鼻の下が伸びたと感じる方がいるのかもしれないと、小柳さんが説明してくれました。
対策は老化を遅らせること
MCの山瀬まみが
「一度長くなった距離は縮まらない?」
と質問すると、小柳さんは
「なかなか難しいが、エイジング(老化)を遅らせる事を心がけると良いと思います」
とのことです。
エイジングを遅らせるには
「肌や骨の体積大部分を占めるのがコラーゲンですので、コラーゲンを減らさないような生活を心がけること」
と、大事なのはコラーゲンを保つ事と説明してくださいました。
コラーゲンを守る3つのポイント
コラーゲンを守るための具体的な方法は、次の3つです。
- ジョギング等の骨に刺激を与える適度な運動をする
- 炭水化物等の糖質を減らし、タンパク質とビタミンCを摂る
- 42℃くらいの少し熱めのお風呂にゆっくりとつかると、コラーゲンが作られやすくなる
さらに、顔のマッサージ方法についても説明がありました。
番組中のVTR内では、石井明美がコーラゲンのパックをし、その後強めに顔全体の皮膚をマッサージしていました。
しかし小柳さんによると、
パック自体は良いと思います。
ただ、マッサージは強くしてはいけません。
炎症が肌を老化させますので。
との事です。
お顔の肌はデリケートです。
強くこすると炎症を起こしコラーゲンが壊され、肌が老化する恐れがあります。
コラーゲンを守るためにはマッサージは優しく、洗顔の際には多めの泡を立たせて直接こすらないようにするのが大事で、手で直接ゴシゴシと強くこするのはNGです。
原因が分かってスッキリ
様々な芸能人の若い頃と現在の画像を見ると確かに鼻の下が伸びているのは確かですが、まさか鼻の下の骨が数ミリも伸びるわけでもあるまいし、なぜそのような現象が発生するのが不思議に思っていました。
おそらくは写真の角度や、又はたまたま鼻の下を伸ばすような顔の表情をしている時のひとコマを抜き出されたものだとも考えましたが、実際に若い頃と現在の静止画像を見比べて精査してみると、どう計算しても伸びているのです。
男性に対して「鼻の下を伸ばして」と罵倒する言葉もあるように、鼻の下が伸びると何となく間が抜けたように見えてしまう可能性もあり、もう若くない女性は何としても対策を取りたいものですが、原因が分からないとどうしようもありませんでした。
でも原因は純粋な老化だったのです。
骨が伸びるのが原因ではなく、どちらかというと骨が小さくなる事が理由でした。
対策としては当たり前ですが、コラーゲンを大事にし老化を遅らせるようにすること。
今回小柳先生によりその医学的なメカニズムが解明され、スッキリとしました。