新型コロナウイルスに罹患した場合は、早く治すためにも、そして何より人様に感染させないためにも、できるだけ早く初期症状に気付く必要があります。
喉の痛み、鼻水、咳といった風邪に似た症状だけでなく、これぞコロナといった特徴の初期サインもありますので、感染拡大防止のためにも紹介いたします。
厚生労働省発表の初期症状
コロナウイルスの拡大が騒がれだした2020年2月中旬頃、厚生労働省は新型コロナウイルスの初期症状を以下のように発表しました。
- 発熱
- のどの痛み
- 咳が1週間以上程度の長期に渡り続く
- 強い倦怠感
そして2020年2月17日には「新型コロナウイルス感染症についての相談・受診の目安」として
○以下のいずれかに該当する方は、帰国者・接触者相談センターに御相談く ださい。
・風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続く方(解熱剤を飲み続けなければならない方も同様です。)
・強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある方
と公表しました。
厚生労働省の発表ですので信頼するに足る情報であると同時に、ほぼ全員の感染者が訴える最大公約数的な症状という事も否めません。
実際の感染者には、これら以外にも「超」初期症状とも呼べる前兆があります。
意外な初期症状「頻呼吸」
クルーズ船「ダイヤモンドプリンセス号」において大量の船内感染が確認されたのは記憶に新しいですが、自衛隊中央病院が104つの発症例について統計をとったところ、多い順に次のような症状が確認されました。
鼻汁と同率3位となったのが「頻呼吸(ひんこきゅう)」で、頻繁な呼吸という文字通り、1分間に25回以上の呼吸を行う浅い呼吸の状態を指します。
頻呼吸は、肺炎になったりして肺の機能が低下している際に見られる症状で、息切れしている状態です。
コロナウイルスは下気道(かきどう)という「喉の奥深くから肺の部位」に感染して炎症を発症させるので、酸素不足という息切れ状態の症状が現れるわけです。
それに対してインフルエンザの場合は上気道(じょうきどう)という「鼻から喉仏近辺の部位」に感染して炎症をおこしますので、別段息切れ状態の頻呼吸の症状は一般的には見られません。
新型コロナウイルスが下気道に感染するというメカニズムを理解すると、この頻呼吸という症状も腑に落ちますが、藤浪晋太郎投手が体験したように意外な症状が発症する場合もあります。
藤浪晋太郎投手「コーヒーのにおいがわからない」
プロ野球、阪神タイガースの藤浪晋太郎(ふじなみしんたろう)投手が、2020年3月24日に「コーヒー等のにおいがしない」と球団トレーナーに訴え、翌25日の病院での検査で感染の疑いを指摘され、26日のPCR検査にて陽性が確定しました。
この事から嗅覚異常の症状も広く知られることとなりました。
他にも感染者からの嗅覚異常の体験談としては
- 何のにおいもしない
- 全てがダンボールの味のよう
- 汁物を飲んでも食感しかしない
- 唐辛子の味がしない
といったものがあります。
川崎市の廣津医院院長によれば
最近では喉より鼻腔の方がウイルスの検出率が高いといわれており、感染により鼻粘膜に損傷が発生しやすく、嗅覚や味覚に影響が出るのではないでしょうか。
とのことで、これもメカニズムが分かれば十分に納得しうる現象といえるでしょう。
目の結膜炎
これら以外にも
新型コロナウイルスに感染している人の1~3%が結膜炎にも罹患しているので、目の充血もサインといえる
と3月28日の米CNNが報じました。
初期症状が出た場合の対策
咳、鼻水、喉の痛みといった代表的な症状全てが発症するわけではなく、いずれか一つだけでも感染してしまった可能性を疑った方が良いと、前述の廣津医院院長はおっしゃいます。
対策としては、感染の疑いがあれば3日程自宅療養して経過観察し、発熱の症状が現れたら病院に行くというのが一つのガイドラインとなるでしょう。
また、これら症状を統合すると、鼻、喉、目といった粘膜部分に異常が見られるのが特徴といっても良いので、コロナウイルスが付着している可能性がある手では、むやみに顔を、ましてや決して目をこすったりしないようにするのが大事です。
そして水道があれば小まめに手洗いをしてコロナウイルスを洗い流すのが、シンプルにして最大の予防策ともいえるでしょう。
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