世界中で猛威をふるっている新型コロナウイルスは、日本でも4月上旬現在1000人を超える感染者数が確認されましたが、それでも世界から比べると感染率は圧倒的に少なく、世界中から感染抑制に成功していると評されていますので、世界との感染者数の差を列挙します。
そして、これだけの被害にとどめている理由には日本ならではの生活習慣が大きく関係していますので、感染を危惧する人々にとっても有効な対策の指標となるので紹介します。
2020年4月1日現在の日本人感染者数
厚生労働省が資料として発表した「新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について」では、4月1日現在の状況が事細かに記されています。
その発表の中で、国別の感染者数を記した表がありますが、それを元に主要国の感染率を算出すると、次のようになります。
国 | 2018年の人口[人] | 感染者[人] | 感染率[%] | 人口10万人当たりの感染者 |
---|---|---|---|---|
米国 | 3億2710万 | 18万6265 | 0.0569 | 56.9 |
イタリア | 6063万 | 10万5792 | 0.1745 | 174.5 |
スペイン | 4669万 | 9万4417 | 0.2022 | 202.2 |
中国 | 14億2765万 | 8万1554 | 0.0057 | 5.7 |
ドイツ | 8312万 | 7万1690 | 0.0862 | 86.2 |
フランス | 6499万 | 5万2128 | 0.0802 | 80.2 |
英国 | 6714万 | 2万5150 | 0.0375 | 37.5 |
スイス | 853万 | 1万6108 | 0.1889 | 188.9 |
オランダ | 1706万 | 1万2595 | 0.0738 | 73.8 |
韓国 | 5117万 | 9887 | 0.0193 | 19.3 |
日本 | 1億2720万 | 2178 | 0.0017 | 1.7 |
このように、日本の感染率は世界でも傑出して低く、イタリアやスペインといった最も激しい国と比較すると100倍前後もの差が見られます。
奇跡的な低感染率の理由
このような日本の感染率の低さには、お国柄といえる習慣が好影響を及ぼしています。
欧米では握手やハグ、あまつさえ頬にキスする事をコミュニケーションの手段どころか単なる挨拶にまで多様していますが、日本では頭を下げるお辞儀という文化が根付いていて、握手する事さえも何だか気恥ずかしいものです。
さらに幼少期から、うがい、手洗い、マスクといった衛生観念を叩き込まれ、それが慣行となっています。
そして新型コロナウイルスが流行する前は、都心部のマスクをした人の多さを見た海外勢から
「日本は感染症が流行っているのか?」
と揶揄されもしましたが、ここに来てそれが正解だった事が実証されるとは何とも皮肉なものです。
またこれら以外にも、日本での屋内・自宅内で靴を脱ぐ文化は、室内にウイルスを持ち込む危険性を大幅に減少させています。
海外のドラマや映画を観ると、靴を履いたまま自宅内のベッドにバタンとダイブしているシーンがありますが「靴の裏が布団に付いて汚いな」と相当な割合の人が感じているだろうと容易に推測でき、これがコロナウイルスが蔓延する原因の一つだと推察されます。
加えて電車やバス等の公共機関内での私語は小さめの声で行ったり、そもそも慎んだりといった文化が、飛沫感染を大幅に減少させる要因となっていることでしょう。
私も1日合計1時間以上の電車通勤を20年以上していますが、インフルエンザに罹患したのは疲労困憊状態が1年近く続いた時期の1度のみで、もし健康状態ならかからなかったと思われ、よく考えたらこれは驚異的な感染の低さです。
ここに来て生きた「右にならえ精神」
日本人は「あの人がやっているから」「周りも皆そうだから」という風潮があり、そのような理念に対し「そんなんだから駄目なんだ」と自国内からも批判をあびることが多々あります。
1人だけ違う行為をするものなら、出る杭は打たれる精神で叩かれます。
しかし今回の新型コロナウイルス騒動においては、その風潮が良い方向に動いていると見受けられます。
とあるイベンターが「コロナウイルスの拡大感染防止のために中止します」と中止を発表するとその行為を評され、次々と右にならえで各種イベントの延期や中止が決定されました。
これらの中止や延期は、国からの通達が出る前ということにも注目です。
2020年4月現在、イギリスやイタリアでは必需品の買い物等の必要性のある移動を除き移動禁止とし、基本的に自宅待機が命じられており、度重なる違反者には罰金等の厳しい罰則が科せられます。
それに対し日本では、不要不急の外出は控えるようにといった努力目標的な穏健な措置が施されているだけですが、各自が自主的に外出やイベント開催は控えるという、自発的努力を行っています。
まさに何が正しいのかというのは、時代や時勢によって刻々と変化するというのを体現した形となりました。
今は日本人精神で耐え忍び、この新型コロナウイルス騒動がおさまった暁には、思い切り活動して出る杭となり打たれまくりましょう。
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