「4月1日生まれはなぜ前年度の学年になるの?」
「早生まれ扱いされると、勉強もスポーツも同級生に比べて不利になる」
そんな風に考えている親御さんも多いはずです。
満6歳になるのは「誕生日の前日」という事が「年齢計算ニ関スル法律」によって定められているのが、そのようになってしまう理由ですので図解したいと思います。
学校教育法による小学校就学の定義
学校教育法・第一七条によると
保護者は、子の満六歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから、満十二歳に達した日の属する学年の終わりまで、これを小学校又は特別支援学校の小学部に就学させる義務を負う。
と、明記されています。
「学年の初め」とは「4月1日」のことですので、この第17条を簡単に言うと
「満6歳になった日の翌日以降の最初の4月1日」に入学
となります。
3月31日生まれを例にとると、次の図のようになります。
- 満 6歳になった日の翌日以降の最初の4月1日
- 3月31日
- 4月1日
- 4月1日以降(4月1日も含む)
このように3月31日に6歳となった「早生まれ中の早生まれ」の者は、翌日の4月1日に小学校に入学します。
これについては当たり前のように理解できますが、4月1日生まれの者が「6歳になったばかりの4月1日」になぜ小学校に入学するというのが何とも腑に落ちないわけです。
4月1日生まれなら
- 満 6歳になった日の翌日以降の最初の4月1日
- 4月1日
- 4月2日
- 4月2日以降(4月2日も含む)
となり、皆さんが思っているように翌年の学年になるはずですので。
年齢計算ニ関スル法律によると実は皆「1日だけトシをとっている」
前述の学校教育法・第一七条では
「保護者は、子の満六歳に達した日~」
と「満」が付いている事に注目です。
何気なく使っていて、実年齢と同じだと認識している「満○○歳」ですが、「満○○歳」は何かという事を定義する「年齢計算ニ関スル法律」では誕生した日を1日目として起算するため、「誕生日の前日」に「満○○歳」となってしまいます。
つまり2010年4月1日生まれの者は「2016年3月31日をもって満6歳」になり、2016年4月1日から小学校へ入学となります。
4月1生まれの者を図にすると次のようになります。
これまでの図と違い、「満」も枠線で囲っている事にご注目。
- 満6歳になった日の翌日以降の最初の4月1日
- 3月31日
- 4月1日
- 4月1日以降(4月1日も含む)
4月1日生まれが早生まれ扱いされる理由は以上となります。
4月1日生まれは高校1年でアルバイトできる?
選挙権や喫煙といった法律というのは一般的に年齢で区切られています。
それゆえ同じ学年の中でも、選挙権が有る者と無い者、タバコを吸える者と吸えない者、といった具合に分かれる事になります。
では、労働に関してはどうでしょうか?
わが子が高校生ともなればお金を稼ぐためにアルバイトのひとつも始めると思いますが、何となく「バイトできるのは16歳以上」というイメージがあるので、高校1年生の中で、まだ15歳の者は働くことができないのでしょうか。
労働基準法においては
満15歳に達した日以後の最初の3月31日まで使用を禁止
と定められています。
大部分が中学3年生の期間に満15歳となりますが
「最初の3月31日まで(3月31日を含む)」
つまり中学在学期間中は働いてはいけないのです。
正確に言うと、雇う側がそのような者を雇用してはいけない。
ですので中学を卒業後、4月1日になれば例え15歳でも働くことができます。
高校1年生で、かつ誕生日が4月2日~3月31日の者であれば、間違いなくこの条件をクリアしています。
では肝心の4月1日生まれの者はどうなるのでしょうか。
4月1日生まれは、高校1年生の期間(4月1日~翌年3月31日)をずっと実年齢15歳で過ごすわけですが、図解すると次のようになります。
- 満15歳に達した日以後最初の3月31日まで使用禁止
- 3月31日
- 3月31日以後(3月31日も含む)
この図から分かるように4月1日生まれの者でも、中学を卒業して最初の4月1日になれば晴れて解禁となり働く事ができるようになります。
4月生まれの優位性
4~5月といった早い時期に生まれた者というのは、小中学校時代といった幼い頃に圧倒的に有利です。
体格やスポーツといった肉体関連のアドバンテージのみにスポットが当たりますが、脳の発達も進んでいる事の方が大事だと思います。
私が幼稚園の時に「鈴楽器を、鈴の音を立てないように運ぶ」という課題(遊び)が先生から提案された事がありました。
多くの者が取っ手の部分を持ち音を立ててしまっている中、最後にトライした子だけが鈴の部分自体を両手でしっかりと押さえ、音が出ないようにして運んだのです。
幼稚園年中にしてその発想力を持ったその子は、小学校でも中学校でもトップの学力を発揮し、県で一番偏差値の高い学校の1番難しい学部へと進学しました。
何が言いたいかというと、その子は4月生まれだったのです。
3月生まれの子に対してだと約1年近く早く生まれたゆえに、脳の発達も早かったのです。
幼い頃の数ヶ月~1年という差は、それほどまで大きいのでしょう。
もちろんその子自身の持って生まれた能力の高さもあったと思いますが。
受精してから子供が生まれるまでの期間は「十月十日(とつきとおか)」と言われ、これは「10ヶ月目の10日目」を指します。
つまり妊娠期間は9ヶ月と10日(40週間)と言われています。
これから計算するに、7~8月くらいを狙って子作りに励むのもひとつの手かなと思われます。